WinFspとは?Windowsへのインストール手順と、別途導入が必要な理由

クラウドストレージをドライブとして開くソフトを入れようとすると、「先に WinFsp を入れてください」と言われることがあります。見慣れない名前で、しかも本体に同梱されていない。この記事では、それが何をするもので、なぜ別途インストールなのかを説明します。

最終更新: 2026年9月9日

この記事の内容

  1. WinFsp とは何か
  2. なぜ別途インストールが必要なのか
  3. インストール手順
  4. 入っているかを確認する
  5. つまずきやすいところ
  6. アンインストール

WinFsp とは何か

WinFsp(Windows File System Proxy)は、Windows 上でユーザーモードのファイルシステムを動かすための基盤ソフトウェアです。公式サイトは自らを「Windows コンピューター上でカスタムファイルシステムのランタイムと開発サポートを提供するシステムソフトウェア」と説明しています。

Linux や macOS を触ったことがあれば、FUSE の Windows 版と考えるのがいちばん近いです。

WinFsp の位置を示す層構造の図。上からエクスプローラーや Excel などのアプリケーション、Windows のファイル API、WinFsp、rclone や S3 DriveBridge などのソフト、Amazon S3 などの実体の順に並ぶ。
WinFsp は真ん中の層にいます。上のアプリからは普通のドライブに見え、実際に何を見せるかは下のソフトが決めます。

ふつう、Windows がドライブとして扱えるのは、物理ディスクやネットワーク共有のように OS がドライバーレベルで知っているものだけです。WinFsp を入れると、その枠の外にあるもの — クラウドストレージ、SSH の向こうにあるディレクトリ、暗号化されたコンテナ — を、アプリケーション側のプログラムがドライブとして見せられるようになります。

重要なのは、こうして見せたドライブがWindows の標準的なファイル API 越しに見えることです。つまり、専用ソフトを使わなくても構いません。

Windows のエクスプローラーに「経理部 共有ドライブ (Y:)」というネットワークドライブが表示され、フォルダーと docx ファイルが並んでいる画面。
WinFsp の上で動くソフトがマウントしたドライブの例。左のツリーにも普通のドライブとして並び、中身は S3 のバケットです。エクスプローラー側はそれを知りません。

WinFsp を使っているソフトウェアには、rclone、sshfs-win、Cryptomator などがあります。当社の S3 DriveBridge も同じ仕組みで、Amazon S3 のバケットを Windows のドライブレターに割り当てています。

WinFsp 自体は「何かをクラウドに繋ぐソフト」ではありません WinFsp を入れただけでは、ドライブは1つも増えません。あくまで土台で、その上で動くソフト(rclone や S3 DriveBridge など)が、実際に何を見せるかを決めます。土管と、そこを流れる水の関係です。

なぜ別途インストールが必要なのか

「必要なら本体のインストーラーに同梱してくれればいいのに」と思うところですが、これはソフトウェアの手抜きではなくライセンス上の制約です。

WinFsp は GPLv3 で公開されています。ただし「Free/Libre and Open Source Software のための特別な例外」が付いており、あわせて商用ライセンスも用意されています。

GPLv3 は強いコピーレフトのライセンスで、これを組み込んで配布するソフトウェアは、原則として自身も同じ条件で(=ソースコードを公開して)配布しなければなりません。付いている例外はオープンソースソフトウェア向けのものなので、ソースを公開しない市販ソフトはこの例外の対象になりません。

したがって、ソースを公開しない製品が WinFsp を同梱するには、開発元から商用ライセンスを購入する必要があります。多くのソフトが「本体とは別に、利用者ご自身でインストールしてください」という形をとっているのは、この事情によります。

利用者側に追加費用は発生しません WinFsp そのものは無償で入手できます。制約がかかるのは「配布する側が自社製品に同梱してよいか」という点であって、利用者が個別に入れて使うぶんには問題ありません。

インストール手順

WinFsp は MSI インストーラーの形で配布されています。署名済みのドライバーと、必要なファイル一式が入っています。

  1. 公式サイトからダウンロードします。
    winfsp.dev/rel/ を開き、リリース版のインストーラーを取得します。配布は開発元の GitHub リポジトリ(github.com/winfsp/winfsp)でホストされています。
    本記事の執筆時点(2026年9月)の最新版は 2.1(build 25156)、ファイル名は winfsp-2.1.25156.msi です。
  2. ダウンロードした MSI を実行します。
    ドライバーをインストールするため、管理者権限が必要です。ユーザーアカウント制御(UAC)の確認が出たら許可してください。
  3. 構成はそのままで進めます。
    インストールする機能を選ぶ画面が出ますが、ファイルシステムを使うだけであれば既定のままで足ります。開発用のヘッダーやライブラリは、自分で WinFsp を使うプログラムを書く場合にのみ必要です。
  4. 完了後、再起動を求められた場合は再起動します。
    求められなければ、そのまま次の確認に進んで構いません。
ダウンロード元に注意してください WinFsp を再配布している非公式なサイトが検索結果に出ることがあります。カーネルドライバーを含むソフトウェアなので、公式サイトか、その先の GitHub リリース以外からは取得しないでください。

入っているかを確認する

すでに何かのソフトが入れている場合もあります。次のいずれかで確認できます。

1. フォルダーの有無で見る

次のフォルダーが存在すれば、インストールされています。

C:\Program Files (x86)\WinFsp\

32bit 側の Program Files である点に注意してください。64bit の Windows でもここに入ります。

2. サービスの状態を見る

コマンドプロンプトまたは PowerShell で次を実行します。導入済みの環境で実行すると、次のように返ります。

コマンドプロンプト
> sc query WinFsp.Launcher

SERVICE_NAME: WinFsp.Launcher
        TYPE               : 10  WIN32_OWN_PROCESS
        STATE              : 4  RUNNING
                                (STOPPABLE, NOT_PAUSABLE, ACCEPTS_SHUTDOWN)
        WIN32_EXIT_CODE    : 0  (0x0)
        SERVICE_EXIT_CODE  : 0  (0x0)
        CHECKPOINT         : 0x0
        WAIT_HINT          : 0x0

STATE が 4 RUNNING になっていれば動作しています。

同じ環境で、末尾の .Launcher を付け忘れた場合
> sc query WinFsp

[SC] EnumQueryServicesStatus:OpenService FAILED 1060:

指定されたサービスはインストールされたサービスとして存在しません。
この「存在しません」は、未インストールを意味しません 上の2つは同じ、WinFsp が正常に入っている環境で実行したものです。ファイルシステム本体はカーネルドライバーで、Win32 サービスとしては登録されていないため、sc query WinFsp は必ずこのエラーになります。サービスとして存在するのはランチャーの方だけです。
この表示を見て「入っていない」と判断し、入れ直しに時間を使ってしまうことがあります。

3. バージョンを確認する

PowerShell で次を実行すると、入っているバージョンが分かります。

PowerShell
> (Get-Item 'C:\Program Files (x86)\WinFsp\bin\fsptool-x64.exe').VersionInfo.FileVersion

2.1.25156.ddca7bd

先頭の3つ(2.1.25156)がバージョン番号です。末尾はビルドのコミット識別子です。

つまずきやすいところ

症状原因と対処
インストールしたのにドライブが増えない WinFsp は土台なので、単体では何も表示しません。その上で動くソフト(rclone、S3 DriveBridge など)の設定が必要です。
sc query WinFsp が「存在しません」 正しいサービス名は WinFsp.Launcher です。上の注記を参照してください。
インストーラーが管理者権限を要求する 署名済みカーネルドライバーを登録するためです。標準ユーザー権限では導入できません。
ソフト側が「WinFsp が見つからない」と言う インストール直後で再起動していない場合があります。また、ソフトが要求する最低バージョンを満たしているか、上の手順3で確認してください。
マウントしたドライブが他のアプリから見えない マウントを実行したプロセスと、見ようとしているアプリの権限が異なる場合に起こります。管理者として実行したソフトがマウントしたドライブは、標準権限のアプリからは見えないことがあります。

アンインストール

「設定 → アプリ → インストールされているアプリ」から WinFsp を削除します。コントロールパネルの「プログラムと機能」からでも構いません。

先に、依存しているソフトを止めてください WinFsp を使っているソフトが動いたまま削除すると、マウント中のドライブが応答しなくなることがあります。該当するソフトを終了し、マウントを解除してから削除してください。

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